ステップアップクラス最終回
2022年01月29日
3ヶ月間のステップアップクラスは木曜と土曜両クラス無事に終了しました。
また両日ともにOB参加のフォローアップクラスを行いました(画像は土曜日)
全回天候に恵まれて不自由なく足を運んでいただけてほっとしています。
ステップアップクラスは材料(麦漆、錆漆)を自分で作成して、各工程もより丁寧に進めることを意識していますが、うつわの数が増えると仕上げまで進められるものも限られるので、1箇所は必ず全工程を踏むことだけ決めさせていただき、他は自由に組み立てて進めています。
最終回は一番華やかな作業、「蒔き」工程です。
接合位置がぴたりと合い、内側はそのままの切子のグラスは外側のみガラス用漆で真鍮粉(金色)蒔きを。
ガラスとヒビにはガラス漆で、欠けを埋めた箇所は弁柄漆を塗ってから真鍮粉蒔きをされています。
真綿ではなく、毛棒をつかうと広範囲を手早く蒔くことができます。漆に触れないよう扱いを丁寧に。
同じく真鍮粉ですが、コーティングされて色の変わりにくいタイプ。漆屋さんによっては特色のある製品を扱われているところがあるので色々試されるのもよいかと思います。
錫(銀色)蒔きは呂色漆を下に塗ります。こちらも毛棒を使われてます。
画像に収めるタイミングを逸してしまったのですが、錫蒔き部分の粉固めをされる方もおられたので、デモンストレーションを兼ねて説明いたしました。
OB参加の皆さんは、過去テキストメモを確認しながら。忘れているかなと不安に思われても、少し手を動かすと思い出してきます。一人では進まなかった作業も集まると捗りますし、和気藹々と同窓会のような雰囲気も大変嬉しくなる光景です。
木曜日、土曜日ともに本金を蒔いた方がお一人ずつおられました。蒔いている間、皆で取り囲んで固唾を飲んで見守りました。金の高騰が続き、気軽に使える材料ではなくなってしまいましたが、光り方や重みががずしりとしていて代用金とは一味も二味も違います。いつかはチャレンジしていただきたいです。
初心者からステップアップまで約半年間、参加してくださったみなさま誠にありがとうございました。また寺家スタジオスタッフの皆さまには毎回会場準備を工夫して下さり、大変助かりました。
これからも 末長く漆の繕いを楽しんでいただけるよう、工夫して進めてまいります。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。