10月の金継ぎ教室
今月の出張教室が無事に終了しました。例年なら秋風が吹き渡る頃ですが、今年は季節外れの夏日が予報されるほど暑い日が続きました。
一方、漆は湿度と気温が下がると硬化が遅くなるため、この調子なら、まだしばらくコンスタントに作業ができそうです。
それぞれの教室での一コマをご紹介します。
10月3日
10月から、ソノモノさんの教室が毎月第一水曜日の開催になりました。午前中は、講座が始まった当初から続けてくださっている生徒さんのクラスです。基本の道具に加え、ご自身で必要と思われるものを買い足してカスタマイズされており、時には配送中に破損したものを修繕するなど、着実に習得を進めている頼もしい姿が見られます。
午後は、アドバンス継続の生徒さんと、新しく始まったビギナークラスの混合チームでした。
ビギナーの方の座学を進めながら、アドバンスの方々それぞれの作業を確認して回ったため、写真を撮ることができなかったのですが、漆の接着工程に大いに驚かれ、繕いの楽しさの一歩として良いスタートが切れたように感じています。これからどうぞよろしくお願いします。
10月7日
マダレーナカフェさんでの教室は、午前中がアドバンスクラス、午後がビギナーとアシストの混合クラスです。こちらでは、修理中のうつわを保管していただけるスペースがあるため、複数のうつわを同時に進められ、テーブル上にボリュームが出ます。
こちらの午後の混合クラスも写真を撮るタイミングを逃してしまいましたが、ビギナーの方が他の方の作業を参考にする場面もありました。レベルの異なる方々と一緒になることで、先のイメージが掴みやすくなると思います。欠けの大きなものや複数の破損箇所もご自身で修繕できるようになりますので、継続の過程もぜひ楽しみにしてくださいね。
10月13日
インヤンレストさんでの教室は日曜日に開催しており、スタート時から少しずつ人数が増えたため、先月から午前・午後の2クラス制になりました。随時入会が可能ですが、残席がわずかとなっておりますので、ご興味のある方はぜひお問い合わせください。
両クラスともに、始めたばかりの方と継続の方が混在していますが、お一人ずつ対応している点は他の教室と同様です。
スタート時はアドバイス通りに手を動かしていた方々も、経験を重ねるうちに少しずつ自分のイメージが生まれてきた頃でしょうか。仕上がりが楽しみです。
10月23日
アトリエニノンさんの教室は、新しいメンバーをお迎えし、人数が増えてのスタートとなりました。こちらも座学から始まり、作業に入る前に漆の性質や金継ぎの仕組みについて説明を行います。特に初回は、漆を使用する時間を最小限にして、かぶれのリスクを低減しています。遠回りに感じるかもしれませんが、必要な工程だと考えています。
こちらのお皿は、数か月かけて釉薬が剥がれた箇所を埋め、表面を丁寧に研ぎ、色絵に合わせて金を蒔きました。美しく粉を行き渡らせるためには、丁寧に下地を整えることが肝要です。金も依然として高騰中で、とても高価なことは承知の上。皆で息を潜めて見守りました。
さて、こちらはお教室で用意してくださるおやつの一部です。
手と頭を使って作業をした後、ほっとひと息つき、良い香りと共にいただく幸せ。いつもご用意くださるオーナーの皆さま、ありがとうございます。
画像はありませんが、自宅教室へお越しくださる皆さまにも変わらずご参加いただき、誠にありがとうございました。
来月も引き続きどうぞよろしくお願いいたします。